ブラントを攻める村田諒太

July 13, 2019
12日、村田諒太（33=帝拳）が、WBA レギュラーチャンピオンのロブ・ブラント（28=アメリカ） を2ラウンド2分34秒、テクニカルノックアウトで破り、昨年10月タイトル防衛戦の敗北の雪辱を晴らし、 完勝した。

村田はラスベガスで、ブラント相手に3-0の判定で敗れて、９ケ月ぶりの試合だった。

終わってみれば、村田の「圧勝」した形となった。来日から余裕で自身満々のブラントに対し、 村田は「ムカつく」という言葉が出るほど、神経を尖らせていた。

しかし、逆に初戦は村田自身が「余裕」モードの敗北。ハングリーにならなければ勝てない、 と判断したセルフコントロールで、自身の闘志を燃え立たせたのだろう。

試合は1ラウンドからお互い激しい打ち合いとなった。序盤こそ、手数に勝るブラントがパンチを打ち、 村田防御と見えたが、後半から村田の猛攻が早くも火を噴く。

明らかに1ラウンドからノックアウトを狙い、 ブラントのボディーに重いストレートパンチが数発クリーンヒット、さらに顔面にもストレートを入れた。

第２ラウンドも村田は出ていく。開始５０秒、村田の右ストレートがブラントの左テンプルを直撃、ブラントが千鳥足になる威力だった。 ここからは村田の独壇場。ふらつくブラントに対し、鍛えてきた「持久力」で村田の左右連打が止まらない。

さらに進化した「新しい村田」はハイスピードというわけではないが、左右のフックの連打の猛攻を披露。 顔にボディーにパンチを見舞い、村田の右フックがテンプルをかすると、たまらずブラントが後ろにひっくり返ってダウン。
★ボクシング世界戦はWOWOW【加入月無料！】



ブラントが立ち上がるが、あとは、レフリーのストップがかかるかどうかという展開。 ストレート、フックの連打をボディー、顔面に打ち続ける。

さすがにこれを耐え忍ばれたら、村田が「ガス欠」になるかも、という猛攻だったが、 レフリーが再三、割って入ろうかとするほど、ブラントもパンチを被爆する。

最後に右フックがブラントの顔面に入ると、よろけたブラントをレフリーが抱きかかえて 試合終了。終わってみれば２ラウンドＴＫＯ、村田の「完勝」だった。

今回、村田には進退を掛けた覚悟があったのは間違いないだろう。 しかし、この９ケ月間でこれほどのボクシングの進化を見られるとは思わなかった。 勝利でもギリギリの判定くらいが、ブラント有利のオッズの示すところではなかったか。

しかし、左右のフックを上に下に打ち分けて、 とどめの右ストレートを繰り出す「連打の波状攻撃」で新しい村田を見せてくれた。

　 これで、次の目標、高嶺を目指せるだろう。カネロ・アルバレス、ゴロフキン、ジャーマル・チャーロ、 そうそうたる選手がゴロゴロしているのが、この階級なのだ。

しかしこの「ゴールドメダリスト」は、さらなる進化で、日本ボクシング最高の物を、今後も見せてくれるだろう。

【関連記事】
元４階級制覇王者 パーネル・ウィテカー氏 亡くなる
RIZIN14 メイウェザーが那須川天心を３度倒し、１ラウンドTKO勝利


　

★WOWOW ★スカバー！
★月定額料金で動画、書籍、マンガ、雑誌！
Boxing グローブランキング トレーニングベンチ
ランキング